天然記念物 北海道犬




北海道犬画像04-02




北海道犬は、日本犬中型の一地方種と見做されていて、
これら日本犬は 本邦有史以前から、北海道を含め 日本列島全体に分付したと考えられている。


北海道に住み着いていたこれらの犬と、
昔 本州に住んでいたアイヌが シャモの勢力に押されて、次第に東北へ移動し、
ついに北海道へ渡ってきた時に 一緒についてきた犬、
この二つが 現今の「北海道」の先祖ということができる。


そして、アイヌによって 長い年月を費やして、狩猟犬としての淘汰をされてきた。


このような因縁から、「アイヌ犬」という名称で 広く知られていたが、
昭和12年(1937年)に、天然記念物として指定された時の名称は「北海道犬」で、
その呼び方は「ほっかいどういぬ」である。


指定は、北海道全域に飼育されている北海道犬群が その対象である。
従って、理論的には 畜犬団体に登録されているとか、血統書があるとかには関係なく、
指定され得るのであるが、丹頂鶴の野生のものと異なり、
放任すれば 他の犬種と交雑して 純粋性が失われやすい犬の場合、
今日においては、信用ある畜犬団体に登録されていること以外には、
純粋性に対する証明は不可能となってきている。


北海道犬においては、これら畜犬団体の登録犬の中から、
特に北海道犬としての特徴を よく具え保っているものを選出して、保存・奨励の対象にするため、
毎年 北海道教育委員会が主催して「天然記念物指定 優良北海道犬審査会」が 行われている。
この審査で その価値ありと認定された犬が、実際上の天然記念物として取り扱われているが、
この制度は、いわば過渡期のものと考えるべきであろう。



因に当会は、北海道教育委員会主催のこの審査会には、
その発足当時から積極的に協力・後援を惜しまず、また 意見具伸も行い、
昭和38年度(1963年)からは、道教育委員会の要請に応え 審査員も派遣し、
一層積極的に協力し、今日に至っている。


尚、当会の血統書は、
長年の研究と審査に基づいたもので、
内容の正確さ・親切さ・発行の早さ等々、どこの会にも 絶対に劣らないという
確信を持っている。




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